【古物商向け】「名義を貸してほしい」は絶対NG|名義貸しの罰則・借りた側のリスク・うっかり該当する落とし穴
本記事は買取事業者向けの一般的な情報です。個別の手続きや判断は、最新の法令、管轄警察署・税務署、専門家の案内を確認してください。

古物商許可を持っていると、こんな相談を受けることがあるかもしれません。「古物の転売がしたいけど許可が取れない。名義を貸してくれないか」「1回だけでいいから」「お礼はするから」。友人、知人、あるいはブローカーから、そう持ちかけられる場面です。
結論から言えば、名義貸しは絶対にやってはいけません。古物営業法の中で最も重い部類の罰則が科される、極めてリスクの高い行為だからです。親しい相手からの頼みだからこそ、きっぱり断る必要があります。
■名義貸しとは何か
名義貸しとは、自分の古物商許可の名義を使って、許可を持たない他人に古物営業をさせることです。古物商許可は、実際に営業を行う本人(または法人)が取得しなければならず、名義だけを他人に使わせることは認められていません。
なぜ禁止されているのか。古物営業法は、盗品の流通を防ぐために、警察が「この人物は古物商としてふさわしいか」を審査したうえで許可を出しています。名義貸しを許せば、審査を受けていない誰かが、他人の名義を隠れ蓑にして自由に営業できてしまい、法律の目的が根底から崩れてしまうのです。
■罰則は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」
名義貸しの罰則は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(またはその両方)です。これは無許可営業と並ぶ、古物営業法で最も重い罰則です。たった1回名義を貸しただけでも、この重い刑罰の対象になり得ます。
さらに、刑事罰だけでは終わりません。名義を貸した古物商は、古物商許可そのものを取り消されます。そして、取り消されてから5年間は、新しく古物商許可を取得できなくなります。つまり、名義を貸したことで自分の事業まで失い、当面の間、古物ビジネスに戻れなくなるのです。
■借りた側も、同じだけ重い罰を受ける
名義貸しで罰せられるのは、貸した側だけではありません。名義を借りて営業した側も処罰されます。借りた人は許可を持たずに営業していることになるため、無許可営業に当たり、こちらも3年以下の懲役または100万円以下の罰金という同じ重さの罰則の対象です。そして無許可営業で処罰された場合も、5年間は許可を取得できなくなります。
「貸す側だけが悪い」のではなく、双方が最も重い罰則を受ける——これが名義貸しの実態です。
■そもそも、名義を借りたがる人は要注意
冷静に考えてみてください。古物商許可は、特別な資格も財産も不要で、自分で手続きすればわずかな申請費用で取得できます。それにもかかわらず、あえて他人の名義を借りたがるのには、たいてい理由があります。
欠格事由に該当して自分では許可が取れない、あるいは足がつかないように取引したい——名義を借りたがる背景には、そうした事情が隠れていることが少なくありません。とくにブローカーが「貸してくれたら報酬を払う」と持ちかけてくる話は、犯罪絡みと考えるべきです。本当にそんなに儲かるなら、普通は自分で許可を取ってビジネスをします。名義貸しの依頼は、犯罪に巻き込まれるサインだと考え、断固として断りましょう。
■「うっかり名義貸し」になる落とし穴に注意
悪意がなくても、知らないうちに名義貸しに該当してしまうケースがあるので注意が必要です。代表例が、個人で取得した古物商許可のまま、法人として古物営業を行っているケースです。個人と法人は別の人格なので、法人で営業するなら法人名義で改めて許可を取らなければなりません。個人名義の許可で法人の営業を続けると、名義貸し(および法人側の無許可営業)に問われかねません。
同様に、A社で取得した許可のまま、新たに設立したB社で営業する場合も要注意です。事業を法人化したり、別会社を立てたりするときは、必ずその人格で許可を取り直す必要があります。なお、古物商が従業員やアルバイトを雇って買取・販売を手伝わせるのは、自分のビジネスを手伝わせているだけなので名義貸しには当たりません。この線引きを正しく理解しておきましょう。
■まとめ
名義貸しは、貸した側は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」+許可取消し+5年間再取得不可、借りた側も無許可営業で同じ重さの罰則という、古物営業法で最も重いペナルティを招きます。「1回だけ」「お礼する」という誘いには絶対に応じないこと、そして法人化や別会社設立の際に「うっかり名義貸し」にならないよう許可を取り直すこと——この2点を必ず押さえてください。
なお、法人化に伴う許可の取り直しや、個別ケースが名義貸しに当たるかどうかの判断は、古物商に詳しい専門家や管轄の警察署への確認が確実です。日々の買取業務を正しい許可のもとで安心して運営したい方は、買取業に特化した統合管理システム「買取コージ」もあわせてご検討ください。
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